退屈な仕事があなたをむしばむ ボアアウト

 

「燃え尽き症候群」はみなさんご存知ですね。

「症候群」なんて名前がついてるくらいですから、病気のようにあなたをむしばむものだということも広く知られています。

では、ボアアウト、という言葉をご存知ですか?

 

ボア bore-退屈させる

そう、ボアアウトは日本語にすると「退屈症候群」

退屈なくらいで文句を言うなんて贅沢すぎる?

 

まぁ、そうおっしゃらずに続きを読んでください。

 

 

今日は(も)イギリスBBCのサイトにあった記事 The damaging effects of 'boreout' at work からの要約と解説です。

 

「燃え尽き症候群」のほうは、言うまでもなく、超過勤務、過重労働によっておきます。

それが健康被害を引き起こすことに疑問を持つ人はいないでしょう。

 

一方「退屈症候群」のほうはどうでしょう。

退屈なだけで健康被害に結び付くと考える人は少ないかもしれませんが、実際には「退屈症候群」は「燃え尽き症候群」と同じく心身の健康をむしばみます。

 

当然、離職率も高まります。

企業にとっても実は放っておいていい問題ではないのです。

 

もちろん「仕事がつまらない」なんて、誰にでも起こりえますし、珍しいことでもありませんよね。

でも、それが慢性的に、日々ずっと続くことよにって、それはあなたの心と体を蝕み始めるのです。

 

退屈症候群とは何か、それを知ることによってそれに対処することにも可能になります。

 

「退屈症候群」はどこにでもあります。

田舎の小さな町で何時間も待たなければならないタクシー運転手にも

シリコンバレーのハイテク企業で働く人にだってみられるのです。

 

「退屈症候群」には3つの大きな要素があります。

1,成長を感じられないこと

2,仕事に意味が感じられないこと

3,どうしようもなく退屈であること

です。

 

そして、自分でそれに気が付いたときにはすでに

不眠や頭痛、うつ病さえも発症していることが多いのです。

 

「退屈症候群」が「燃え尽き症候群」より怖いのは

燃え尽き症候群と違って、ばったりと疲労で倒れてしまわないので見つけにくく、慢性化しやすい点です。

 

さらに、「燃え尽き症候群」で倒れた人は、

倒れるまで働くなんて・・・と上司から高く評価されますが

「退屈症候群」にかかっている人は「モチベーションに欠けている」や「仕事に対して興味関心を示さない」などマイナスの評価を受けてしまうのです。

似たような症状をもたらすいわば従妹のような存在なのに、この評価は不当ですよね。

 

その「退屈症候群」にかかってしまったひとは、勤務時間中にネットショッピングしたり、業務に関係ないサイトを閲覧して時間をつぶしたり、同僚とくだらないお喋りばかりしてしまうので、上司からはただサボっているように見えるのです。

 

しかし、ドイツのダルムシュタット工科大学で経営と人事管理の教授を務めたルース・ストック=ホンブルクは、それは人間がとる「退屈症候群」への対処のメカニズム、鬱や不眠を防ぐ対処行動なのかもしれない、と指摘します。

 

また、ボアアウト(退屈症候群)の健康への影響に関する研究に関わっていたトルコのメルシン大学の経済学の准教授、ファーリ・オズングルは、これは個人の問題ではない、と指摘しています。

従業員が自分の仕事に意味を見いだせるかどうかは経営陣にかかっているのです。

経営陣が「退屈」について学び、従業員へ科す仕事に変化を与えることで、仕事が楽しいものになる可能性があるのです。

 

また、長年退屈を学んできたフランスのEMリヨンビジネススクールの組織行動の助教授、ロッタ・ハルジュ氏によると、仕事そのものが刺激的でなくても、職場の人間関係が良好であったり、上司から仕事に関して感謝の言葉をもらうことで、仕事に意味を見出し、価値ある仕事をしていると感じることができるようになる、と指摘しています。

 

要はリーダーが、「その仕事がいかに大切で価値があることなのか」を従業員に伝えてあげることが必要なんです。

 

このコロナ禍で、私たちは立ち止まり、自分の人生、生き方をあらためて考える時間を持つことが出来ました。

もちろん、死ぬほど退屈な仕事は今だけでなく以前からずっとあったのでしょう。

でも、今は立ち止まって考える機会が、望むと望まざるとにかかわらず来てしまったのです。

 

リモートワークについてや燃え尽き症候群について、また以前に紹介した「プレゼンティーズム」に関してと同じように、

「退屈症候群」についても、今いちど考えてみる時ではないでしょうか。

 

それこそが、まさにサステナブル(持続可能・働き続けることが可能)な働き方を可能にします。

それができる組織を作ることを、多くの会社が目指してくれるといいですよね。

 

そして、自分の働き方に迷ったかたは

自分の境遇や、状況を嘆いたり、自分を責めたりする前にまずは専門家に頼ってみましょう。

 

今は、働き方に関する本もたくさん出ていますし、そしてアイキャリアビジョンにもキャリアコンサルタントがいます。

 

 

退屈が、あなたの心と体を知らぬ間にむしばむ前に・・

 

大人のやり直し英語に特化したブログもやっています。

英語に興味を持ってくださった方はそちらもどうぞ

 

英語担当 加純

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