海外ニュースを元に気になった英語について解説しています。
ニュースをきっかけに単語を知ってみませんか?
今回は、初心者さんでも大丈夫な聞き取りチャレンジもありますよ。
オリンピックにトランスジェンダーの重量挙げの選手が参加することが報道されました。
何が正しいのか、これからどうするべきかはまだまだ過渡期で難しいですね。本人の気持ち、他の選手の気持ち。
これからたくさんの議論が必要そうです。
ただ、そのニュースの訳で一部、気になった訳があったんです。
ネットで読んだ日本語の翻訳記事でしたが
「ニュージーランド・オリンピック委員会が21日に発表した声明の中で、ハバード選手は『多くのニュージーランド人が私に与えてくれた優しさと支援に感謝して、恐縮する思い』だと述べた。」
とありました。
このニュースを読んで、
ん???オリンピックに選手として参加することに「恐縮する思い」ってなに??
と、ちょっと違和感を感じました。
感じません?
オリンピック選手としてやってくるのに、アスリート本人が「恐縮」ってちょっと変じゃないですか?
ということで、元の英語を見てみました。
"I am grateful and humbled by the kindness and support that has been given to me by so many New Zealanders,"
I am grateful and humbled で始まっていますね。
前半のgratefulは、
I am grateful 感謝の心でいっぱいです、みたいな時に使います。
なので、「多くのニュージーランド人からの親切と支援に感謝でいっぱいです」ということが述べられていますね。
そして、gratefulの後ろが「恐縮」の訳のもとになったと思われる humbledです。
humbleは謙遜(けんそん)な、控えめな、地味な、謙遜して、控えめで
みたいな意味です。
humbled なので、謙遜して控えめな状態になっちゃってますよ、という意味です。
つたわりますかね?
謙遜して控えめで、とても地味な感じになっている。
要はやっほーーーい!!やったぜ、やってやるぜ!みたいな有頂天ではない感じがhumbledです。
この記事に使っている写真はhumbledで検索して出てきた写真です。
神様に対し、とても謙虚な姿勢で祈りをささげていますね。
たしかに、単語の意味的には「恐縮する思い」もhumbledの訳の中に入れても良いのですが
今回、ハバード選手が言いたかったのは、
「わたしなんかがオリンピック選手に選ばれちゃって、なんか恐縮しちゃうわ、いいのかしら本当にわたしなんかで・・・」とという、いわゆる日本語で言う「恐縮」する気持ちとは、ちょっと違う気がしませんか??
humbled、という単語単体で見れば、その意味の中に「恐縮」があるということは間違いではないけど
文脈と状況を合わせて考えると、今回のアスリートの気持ちの訳としては「恐縮」はちょっと違うかも、と思いました。
I am humbled
このフレーズは、何かの賞の授賞式などでは ‘I am honored and humbled’のように、
honoredと一緒になってよく使われます。
I am honoredは、「とても光栄です」という意味。
大統領就任式の就任演説の冒頭でも使われるんですよ。
大統領になった人が就任あいさつで、「とても光栄です」というのはわかりますが
「私が大統領なんて、なんか恐縮です」って言うのもやっぱり変ですよね(笑)
humbledの訳としてはたしかに「恐縮です」はあるけど、「恐縮」じゃない使われ方のhumbledが存在しそうです。
これは数年前の動画ですが、イギリスの前首相のテレサ・メイさんが首相就任のインタビューに答えたときのものです。
冒頭で、‘I am honored and humbled’って言ってるのがはっきり聞こえると思います。
一応カタカナにもしておきます。アイ アム オナー(ドゥッ) アンド ハンブゥ(ドゥッ)
honoredそしてhumbled それぞれのedの部分は子音で聞きにくいですが、よーく耳をすますと小さく短く(ドゥッ)って言ってますよ、聞き耳たててみてくださいね。
どうでしたか?動画の開始から4秒くらいのところまでが
‘I am honored and humbled’でした。イギリス英語でリンキング(つながって音がかわる)が少ないし、ゆっくり丁寧に話しているのでとても聞きやすかったのではないでしょうか。
I am honoredは、「とても光栄です」そして
humbled謙虚な気持ちになっている、という意味です。
これを、もっと日本語にぴったりした訳がないか考えてみました。
すると、ありました!!!!
「身の引き締まる思いです」
どうですか?
謙虚な気持ちになって、そして「身の引き締まる思いです」
この部分がhumbledにぴったりな気がします。
これは、オバマさんがノーベル平和賞受賞の知らせを聞いたときの挨拶動画です。
オバマさんはアメリカ人なので、ちょっとリンキング(音がつながる)が入っているのでちょっと聞きにくいかも?
開始から34秒あたりです
I am both surprised and deeply humbled.
と言ってます。
「とても驚くと同時に、深く(deeply) humbledです」
「とても驚いたと同時に、とても身の引き締まる思いです」
と訳すと、気持ちもよく伝わりますね。
ということで、冒頭のトランスジェンダーのアスリートさん御気持ちを訳すと
『多くのニュージーランド人が私に与えてくれた優しさと支援に感謝して、身の引き締まる思いです』
がしっくりくると思います。
ということで
ここまでかくとhumbledもすっかり覚えていただけたのではないでしょうか。
何かの受賞スピーチなどでは,
thank you(ありがとう)やhonored(光栄です) やgrateful(感謝でいっぱいです) などかなり多用されるhumbled(身の引き締まる思いです)
ぜひぜひ、聞き耳立てて聞き取ってみてくださいね。
大人のやり直し英語に特化したブログもやってます。興味がある方はぜひそちらも読んでください
英語担当 加純
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