プレゼンティーズム
日本語では「病気なのに出勤して生産性が低下する状態」
英語ではちょっと意味が違うようです。
「長時間労働することで、上司に“一生懸命働いてますよ”とアピールして自分の存在価値を示す行為」
なんか、わかる~~~(笑)
presenteeism
the act of staying at work longer than usual, or going to work when you are ill, to show that you work hard and are important to your employer
コロナ禍で世の中の働き方はガラッとかわってしまって
もうオフィスはいらない時代が来るのではないかと思っていましたが、どうやらそうでもない?
なんとなく、コロナあけたら元に戻るぞー、的機運を感じますね。
以前のようにお出かけを楽しめるようになるのは待ち遠しいですが
せっかくこんな大変な時期を経験したのだから
この際、逆手にとって、変革できることは一気に変革してしまったほうがいいのに、と思っているところに
ちょっと気になる記事を見つけました。
英語でのpresenteeismは、
どんなに非生産的であろうと、熱心に働いていることを示すためだけにオフィスに居座ること。
一つの単語になっているってすごくないですか?
単語になる、ということは言葉としての需要がある、ということを意味します。
状況としては理解できるけど、日本語では一言の単語、にはできないですよね
「どんなに非生産的であろうと、熱心に働いていることを示すためだけにオフィスに居座る」
イギリスでも以前から「働く」という言葉の中に、朝早く出勤して、誰よりも遅くまで残っていることが理想
という概念が含まれていたのですね。やれやれ。
よく聞く話はいずこも同じなんですね。
でも、日本より本格的なロックダウンをしたイギリス。
会社行かないから、今はもうそんなことないんじゃ?
それが・・どうやら違うようです。
いまや、リモートワークでのpresenteeismプレゼンティーズムが、コロナ禍前よりひどくなっているらしく・・
メールにいかに早く返信するかによってプレゼンティーズムを示す。
フェイスタイムのような顔が見えるアプリに可能な限り接続することを強いられる。
UKワーカーたちは、プレゼンティーズムの負荷がコロナ禍前よりきつくなったと感じているようです。
そして、コロナ禍があければ、オフィスに戻らなければならないという義務感も膨れ上がり。
メールの返信の早さに気を使ったり、常に顔が見える状態に接続しておくのは、つねに緊張している状態。
なんだか、大変そうですね。
なぜ日本だけでなく、海外でもこんなことが起きるんでしょう。
プレゼンティーズム(朝早く来て遅くまで残業することで熱心さをアピールする必要性)を促進する
二つの心理的現象、というのを米国ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院のリー・トンプソン教授が指摘しています。
一つ目は単純接触効果
これは人が誰かや何かに接するほど、親近感を増す、というもの。
「ある人に他の人に会うより10倍会えば、自然にもっと好きになります」とトンプソンは説明します。
ある従業員が目立つ行動をすれば、その従業員はそこにいるだけで自然に好かれる。
そこにいるだけで、ですよ。
「彼の笑顔が好き」とか「まぁ、態度もいいしね」とか「いや、彼はリーダーシップがあってね」とか理由をつけるかもしれませんが、実はただの回数なんです。
そして、いつの間にかその人は昇給や昇進しちゃうんです。
これにくわえて「ハロー効果」と呼ばれる別の心理学的概念もあります。
つまり、誰かのポジティブな印象をその人の実際の性格と関連付けてしまうことです。
「コーヒーを持ってきてくれた」「ねぇ、週末なにしてた?」とか話しかけてきてくれた。
あなたはきっと「彼は優しい人だ」と思い始めるでしょう。
それと同時にあなたは「彼は優秀で生産的な社員だ」と思い始めるんですって。
自分でも気が付かないうちに・・・。
「コーヒーを持ってきてくれた」「悪い人である証拠は何もない」
それが何故か「彼は働き者である」とイコールで結びつき始めるのです。
変ですよね。
全然論理的じゃないです。
でも、そうなんです。
こうやって、プレゼンティーズムを示せる人は、昇進昇給を得る。
でも、実際これって生産的じゃないんです。
ちゃんと仕事をすることより、上司にたくさんアピールして覚えがめでたい人だけが出世する、日本でも、すごくありがちですが、
英国での調査によると、プレゼンティーズム、
上司に認めてもらうためだけの労働時間が、年間だと35日分に相当するそう。
ただ、そこにいることを証明するための時間がそんなに・・・
プレゼンティーズムをやめれば、月に3日ほど休みが増える、もしくは生産的な仕事に回せるということです。
ということで、絶対に改善したほうがいいこの風潮ですが
このニュース記事では、トップダウンの変革が必要だと言っています。
よく残業する社員ではなく成績が良かった社員を認める風潮を作る
そして
就業時間がきたら部下を帰らせる上司が出世する会社のシステムにする
このようなトップの決断による以外に方向転換の可能性はない、としています。
世界中の社長さん、がんばってーーー!
ワクチンも少しいきわたってきて
ポストコロナの足音が聞こえてきました。
このまま、ただ元に戻るのではなく、
この大危機を乗り越えた先には、「あぁ、大変だったけど良い副産物もあったね」と言えるような社会の変革が起きてほしいし、その中にこのpresenteeism問題解決への一歩も含まれていてほしいなぁ、と思います。
大人のやり直し英語に特化したブログもやっています
よかったらそちらもご覧ください♪
英語担当 加純
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