今日は個人の職業興味と職場の環境タイプのマッチングを研究したホランド理論をご紹介します。
この理論を応用した適職診断ツールは、若い就活生なら高校や大学で一度は診断を受けたことがあるかもしれないというくらい、現代の学校教育や就職支援現場で使われているものです。
カードや質問紙を使って、質問に答える形で個人の職業興味を6つの領域に分類します。
6つの領域とは
R 機械や物を対象とする具体的な活動への興味
・機械や物を扱ったり、身体を動かしたりする仕事
I 研究や調査のような活動への興味
・研究、調査、分析、考える仕事
A 音楽、美術、文芸等芸術的な活動への興味
・アイデアや感性を生かし、創造したり表現したりする仕事
S 人に接する、奉仕をするような活動への興味
・人に対する仕事、奉仕、教える仕事
E 企画、組織を動かすような活動への興味
・企画、運営、リーダーシップを発揮する、社会を動かす仕事
C 決まった方式や規則に従って行うような活動への興味
・事務的、規則的、正確さが求められる仕事
この領域を6角形の図形で現わしています。
このホランド理論を応用した無料の診断ツールなどで、このタイプ分けを経験した方の中には、正しい解説を知らずに単純に「自分がどのタイプ」に当てはまるのかという見方しかしなかった方がいるかも知れません。
それは実はとってももったいないことだったのです。
ホランド博士は現場で働くカウンセラーとしての経験から、人がそんなに単純に分類できるものであるとは考えなかったようです。
ですので、個々人を支援する現場でのカウンセリングに役立つように理論を発展させていったということです。
ですので、本当は診断結果を見ながらカウンセリングの専門家とご本人が一緒に話を深めていくことが一番有効なのですが、もう少し理論の続きをご紹介しておきます。
人は単純ではないので、普通一つの領域にだけ職業の興味が固まることはありません。
そこで、それぞれの領域のポイントを計算して上位3つの組み合わせで考えます。これをスリーレターコードと呼びます。
このスリーレターコードが隣接している場合【一貫性】があるので、それぞれの領域双方に関連している職業で働きがいを感じることができると思われるのです。
例えば、IとAとSが上位になる人は、IとAの両方に関連するゲームクリエイターやWEBデザイナーまたはAとSに関連する美容師や図書司書、IとSに関連するIT講師や企業のシステム管理者なども考えられます。
スリーレターコードの上位2文字が対角線上にある場合は、その人が個人の興味と能力を職業の中でどう活かせばよいのかわからないという葛藤があるかもしれないとされます。
また、3つのコードにポイントが集まり、他の3つとの差が大きいほど、【分化】されており、職業に対する興味能力がはっきりしてきていると考えられます。
6つのコードにあまり差が無い時には、経験や情報が不足していると考えられるので、まだまだ多くの経験や学習の機会を持つと良いのです。
ホランド博士は、生まれながらの特性と、育っていく中での様々な経験、おかれた環境の相互作用で、人は自分のスリーレターコードを持つようになると考えました。
自分のスリーレターコードが表すものは、「自分の興味があり能力を発揮できる可能性があり、価値観を満たそうとするもの」というわけなのです。
これは、行動傾向を生み出します。
職業選択時の診断ツールとして使われることの多いホランド理論ですが、職業だけでなく、人生、日々を紡ぐ中で生きがいにつながる行動を生み出すきっかけになりそうです。
その行動がまた新しい「環境」を開き、新しい「価値観」を満たすために人は死ぬまで成長していくのかもしれないな、などと考えています。
by 篠扶
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