「オウカン出て遊べ」
子どもの頃、父が言った言葉です。
言った後で、「オウカンちわかる?」と笑いながら聞いてきました。そして「じいちゃんがよ~う言いよったんよ」と。私は聞いたこともなかったので「え~それなあん?」と聞いたと思います。行橋弁ですみません。
思い出してどんな漢字を書くのだろうとネットで調べてみると
【往還】①行き来する道、街道(weblio辞書 https://www.weblio.jp)と出ていました。
重い辞書を出してこなくても、なんでもすぐに調べられる良い時代になりました。
先日、洗濯物を干していると子どもとお父さんの遊ぶ声が聞こえてきたので思い出した過去の会話でした。
Withコロナの時代ということで、どうやら私たちは「新しい生活様式」というものを身につけなくてはいけないらしいと言われています。
これまでの楽しみをすべて手放してしまわなければならないのか?とか、管理される時代になってしまうのでは?とか、または、全く漠然といったいどんな風に変わってしまうのだろう?という不安に囚われている人もいるかもしれません。
そんなことをいろいろと考えていると、子どもとお父さんが昼間から外で遊ぶ声を聞いたのは何年ぶりだろうと思いだしました。コロナ騒ぎが起こる前は土日でもあまり聞いていない気がしました。これは、ただ私がここ数年バタバタと忙しがったせいでもあるかもしれません。
「不要不急の労働禁止」というある国のニュースを聞いた時には、ものすごく「違和感」を感じたものですが、「経済活動となる仕事」を休まざるをえなくなった事で物事がシンプルだった時代のことを思い出すきっかけとなりました。
とはいえ、こんな風に余裕をもって考えられるのも、分断を余儀なくされた生活をある程度補ってくれるネットという技術が生活に浸透しているおかげかもしれません。
考えてみると私たちの生活様式は私が大人になってからでも大きく変わりました。
1971年(昭和46年)に日本最初のコンビニが出来てから約50年
1987年(昭和62年)に携帯電話サービスが始まってから33年
iPhoneが発表されたのが2007年で13年前です。
いまやこれらの無い生活は考えられないくらいですが、そろそろもうひと変わり(?)してもよいように思います。
変わってきたといえば、日本の保険制度があります。国民が皆健康保険に入っているのは世界でも珍しいことです。
これも、歴史を見てみると世界大恐慌や第2次世界大戦の危機に大きな法改正が行われ、戦後、企業や自治体の努力によって成し遂げられたものです。
危機の時こそ「何の為に行動するのかという想いの力」と実行に移す「行動力」が問われるように思います。
「変わる」時だからこそ、私たちは自分自身がどうありたいのか、どのような社会で暮らしたいのか、その意思を示す必要がありそうです。
変えたくないと思ったときに、それは本当に固執すべきものなのか
手放してよいものとは何なのか
必ず守りたいものは何なのか
そんなことを問い続けたいと思っています。
往還での子どもの声の響きは、昔と少しも変わりがありません。
この声は、決して変えたくないと思うのです。
posted by 篠扶
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