ピンチはチャンス

 コロナウイルスの治療薬として使えると注目されているアビガンを開発したのは富士フイルムという企業です。名前の通り元々はフイルム製造の会社です。その企業がなぜ先進の医薬品を開発できたのか不思議に思った方も多いと思います。

 会社の沿革をたどっていくと、1934年の設立以来、社会の様々な変化の中で会社も変化していっているのがわかります。その変化は、ただ資本にものを言わせた突拍子もないものではなく、自身の培った技術の特性を活かし、深め、更に必要となる技術を持っている企業との合併によって内部の技術を拡大してきたようです。

 私たちの生活ではフイルムを使ったカメラは使わなくなり、デジタルカメラの時代になりさらにスマートフォンへと変化しました。そんな時代の変化の中では企業を存続していくにあたっての危機が何度も訪れたに違いありません。けれども見事な成長を続け、「アビガン」の開発につながったわけです。

 

 危機に陥った人間の場合も同じことが言えると思います。

 不安や恐怖は、自己防衛本能を高めてこれまでの状態を意固地に維持したくなったり、他者への攻撃という暴走も起こしかねません。しかし、自分自身の状態について正しく知って、将来のイメージさえあればこのような過剰防衛は起きません。

 

 危機を乗り越えるために、自分の持っている「特性」は何なのか?これを見つめて「活かす」方法を考える。

 そこに必要な目印は、将来の「ありたい姿」です。それと照らし合わせて、足りないものは付け加えていく。付け加える方法もこれまでの方法に固執せず柔軟に考えて、できることを見つけていけばいいのです。

 

 「ありたい姿」の映像に社会の中の自分の姿があるのか、たった一人の誰かと一緒にいる姿があるのか、それは全く自由だと思います。

 

 ただ、「幸福な笑顔でいる自分」が思い描ければ最高だと思います。

 

posted by 篠扶

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