"sexy" 発言問題 green sexy運動ってご存知ですか?

日本の若き大臣が海外で「環境問題への取り組みはセクシーでなければならない」と発言したことがここ数日ニュースになっていますね。

今朝になってようやくフォローアップの報道もではじめましたが、第一報の時は報道のされ方が英語的に間違っていて、あれれ??と思ってました。

徐々に、どうやら"sexy"には「性的」という意味だけではなく良い意味もあるみたいだ、という報道が出つつありますが、あまり英語の観点で詳しく説明しているところもないようなので、政治的なことは完全に抜きにして、英語についてだけちょっとお話しようかなと思います。

 

"sexy"という単語は、もちろん元々は「性的に魅力的な」という形容詞なんですが、この単語の立ち位置は日本語で言うところの「ヤバい」にちょっと似ています。意味が、というわけではなく、本来の意味から外れて若者の間で流行語的に流行ったものが、徐々に市民権を得つつある、というところが、です。「ヤバい」も元々は「危険だ」という意味でしたよね。でも今は、広く「すごく美味しい」とか「びっくりするほど素晴らしい」に近い意味で使われ、その意味を多くの人が認知しています。主に若者に口語的に使われたのがきっかけで広まった、というところ、そして多くの人に知れ渡っているけれども、「ヤバい」という言葉を、使う場面や使う人が限られている、というところも"sexy"と似ています。お年寄りが何かを食べて「これヤバイ!」とかは言わなそうですもんね(笑)

 

そして、口語の若者言葉である"sexy"の意味的に近いのは「イケてる」とか「すごくかっこいい」とか「すごく魅力的だね」です。

海外ドラマを見ているとよく出てくる言い回しなんですよ。

一部の報道で「アメリカでしか使われない言い回しでは?というのも出てましたが、イギリスのBBCドラマの"Sherlock"でも”Brainy is the new sexy” や"Dead is the new sexy" というセリフが出てきました。どちらも「素敵だ」とか「かっこいい」という意味です。なので、アメリカだけの言葉ではなさそうです。

 

 

報道のもとになったロイター通信の記事も読んでみて、ニュースの動画にも聞き耳を立ててみて、日本の若き大臣のsexy発言をざっくり要約すると、"環境問題のような大きな重要問題への取り組みはとてもむつかしくて、時には退屈だと思われがちから、取り組んでて面白いものであるべきだし、クールじゃなければならないし、先ほど僕の隣の女性がそれに付け加えたように、イケてる(sexy)と思われるようにならなければならない"というようなことを言っていました。文法的に、あれ?と思うことはちょっとありましたが、でも多くの人には英語としてまっすぐ伝わるレベルだった思います。

 

そして、その隣にいた女性は、"green sexy"運動の提唱者であったようです。

 

だれかが環境問題へまじめに取り組む姿は、「えらいわね」とか「まじめね」という印象をあたえますが、それに加えて、

「緑(環境)を守る活動は、カッコいい」という認識を高めようという活動です。

「みてみて、あそこにいるあの人、環境にすごく配慮してるわよね、素敵ね、かっこいい~~」という認識・価値観を作り出し広めることによって、個々の環境への取り組みを促進できるし、またそれが個人単位を超えて大きな活動にもつながっていくのではないか、という考え方です。

数年前には、ブラピをイメージキャラクターにして"Let’s make sustainability sexy"というキャンペーンもあったみたいです。

今度は、はて"sustainability" ってなんだろう?と思いましたよね(笑)

これまた日本語で直接説明するのは難しい言葉ですが、環境問題を語る上では外すことのできない単語でもあります。

環境問題への取り組みは、英検のエッセイや面接では定番で出題される問題です。

これを機に、自分の環境問題にたいする考え方を英語で説明するとしたら、何と言えばいいだろう、と考えてみるのはいかがですか?そして環境問題に関するいろいろな英文を読んでいくと、sustainabilityという単語は絶対に何度も出てきます。こうしてsustainabilityという単語が使われているたくさんの文にふれているうちに、この単語の意味がだんだんつかめてきますよ。すると、なるほど日本語で一言で説明は難しいなぁ、とわかっていただけることと思います。

そして英検受験を考えている皆さん、英検のエッセイやスピーチに、"green sexy"運動について盛り込むのはいかがですか?定番の回答ではない、他の人と一味違ったものになって、高評価がもらえるかもしれませんよ。

 

posted by 英語講師 加純