人間は嫌なこと不安なことがあるとできるだけそれを避けようとする行動を起こします。
これを回避行動というそうです。
例えば「自動車の運転は出来るけれど高速道路を走るのは不安だから、時間が掛かっても一般道で行こう。」
と考えて、それを続けていると、いつまでたっても高速道路で運転できるようにならない。思い当たる方もいるでしょうか。
高速道路の運転が出来なくても、それで生活に支障がないなら、別に問題はないのですが
問題となるのは、【不安症】など、本人自身が生活を送るうえでこのままでは困るとか、
この症状を自分はぜひ克服したいと思う場合です。
「しなければならない!」とか「自分はなぜできないのだろう?!」という思いだけでは、負のスパイラルに陥りがちです。
そうならないために有効なのがエクスポージャーという手法です。
これは日本語で言うと、【曝す】という意味になります。
「嫌だな」「不安だな」と思う状況に少しの間さらされてみるということなんです。
といっても、水恐怖症の人をいきなりプールに落とすなどということではありません。
「まず、プールのそばまで行ってみましょう。」「次に水に手をつけてみましょう」「できたら足をつけてみましょう」
という風に段階を追ってその状況に慣れていくわけです。
そのうちに、「泳げている人はどうやっておよいでいるんだろうか?」
と自分から泳いでいる人を観察するという行動を起こせるようになればしめたもの。
この、【観察する】という行動ができるようになると、
「嫌だな」「不安だ」という感覚と結びついてしまってい【泳ぐ】という行為を、
身体の感覚と切り離して、客観的に見ることができるようになるようです。
大切なことは、本人が、「水恐怖を克服して泳げるようになりたい。」
という希望を持っていて、「この方法を試してみよう」と思えているということです。
実は私もこの頃、少しだけ【人間恐怖症】のような症状がありました。仕事のない日は人込みの中に行くことが億劫になり、職場以外の人に会う機会があっても、なんだか話しかけることも面倒になっている自分に気が付いたのです。
これは、あぶない。基本的に「人」相手の仕事ですので、これは生活を送るうえでとても困る状況です。
そこで、休みの日でも積極的に外出したり、買い物をするときにはお店の人に話しかけたりしてみようかなと思っているところです。
「嫌だな」「不安だな」の感覚に自分で自分を【曝す】ということを、ちょっとずつしてみようと思います。回避行動の負のスパイラルに陥らないように。
そして、もしその過程で神経が高ぶりすぎたなら、ストレスを上手にメンテナンスしながら、もう一度前の段階からはじめて、次の段階へ行ければいいなと思っているのです。
posted by 藤吉
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